12月のある日、息子が高熱を出していると、学校から連絡を受けました。
かかりつけ医の診療時間には間に合わず、一日家で休ませて次の日受診した方がいいのか迷いましたが、少しでも楽になればと思い、救急外来へ行くことにしました。
待ち時間が2~3時間あるとのこと。息子よりもっと重篤な症状の方もいるかもしれないし、仕方ないと腹をくくって待っていました。

名前を呼ばれた、小さいお子さんを抱いているお母さんが、看護師さんへ歩み寄り、その子を看護師さんへ渡されました。
途端に、「ママーがいいー! ママがいいー!」と泣き叫ぶ声が病院中に響き渡りました。看護師さんは慣れたもので、優しく、「ママがいいもんね。」となだめながら、
少し離れた処置室に連れて行かれたようでした。
しばらくして、泣きじゃくっているそのお子さんを抱っこした看護師さんが戻ってきて、お母さんに渡されると、その子はピタリと泣き止みました。
さすが看護師さんだなと感心するのと同時に、やっぱり子どもにとって母親は偉大な存在なんだなと思えた出来事でした。

いつの間にか高校生になった息子の小さい頃は、こんな風に自分を頼りにしてくれていたのかな‥とか、子供たちに「ママー、ママー」と呼ばれていた、過ぎ去った尊い日々の
ことを回想したりして、長いはずの待ち時間が、私には、少しだけ心が温まる、優しい時間になりました。

息子にとっては、少々長い待ち時間だったと思いますが、診察を受け、安心をいただき帰宅出来ました。

投稿者:中川